この記事ははてなスタッフアドベントカレンダー 10日目の記事です。 今日は id:ayakoya も記事を書いています!
師弟登壇2015というイベントで発表してきました
2015/12/06(日)、クックパッドオフィスで行われた師弟登壇2015で発表してきました。
複数のWebサービス会社が集まり、新卒とメンターのコンビでその会社の新人教育について紹介する、というイベントです。
はてなからは id:shiba_yu36 と僕が登壇しました。
既に id:shiba_yu36 さんのレポートも上がっています。
この記事では、イベント参加までの経緯を振り返りつつ、はてなの新人研修について書いていきます。
経緯
登壇の話を聞いたのは10月の半ばでした。
会社から師弟として2人送り込むということで、師担当は id:shiba_yu36 さんに早々に決まり、社内で弟担当の社員を探していました。
最初に誘われた時は、僕が新卒研修をすっ飛ばしてチームに配属された事、未だ一年目であり新人教育の過程にある事を考えて他の人に譲ったのですが、都合が合わなくなって再び僕にお鉢が回って来ました。
まあ何事もチャンスでしょってことで。
話が決まってから当日まで一ヶ月半くらいあったわけですが、しばらくの間は、
"pixiv 新人研修"でググっても新人研修をテーマにした絵ばかりが出てくる
— 偽名 (@amagitakayosi) 2015, 11月 25
師弟登壇でペパボ志願の学生全員奪い取る方法考えてる
— 偽名 (@amagitakayosi) 2015, 11月 23
今回登壇する他社の新人教育について調査したり、
イベント前に書かれたペパボの研修記事見て「フライング許さん」という気持ちになったりして、
Slackで方針について議論しつつ、11月末にガッと資料を作ったという感じです。
発表の方針
発表内容についての議論では、主に2つの観点から話を進めました。
1つめは、どの層をターゲットとしてトークするかです。
師弟登壇のconnpassページを見ると、参加者は一般参加者と学生参加者に分かれています。
就活生向けのイベントなら研修制度の手厚さや成長しやすい環境を、人事向けのイベントなら効率的なカリキュラムなどをそれぞれにアピールすれば良いのかもしれませんが、今回のイベントではその両方がターゲットになります。
そのため、師弟でターゲットを絞り、うまくテーマを分担する必要がありました。
2つめは、はてなの研修制度のシンプルさです。
事前に調べたところ、今回の参加企業の中では弊社の新人研修は期間も短く、かなりアッサリしているようでした。
エンジニアの教育としてははてなインターンもありますが、新人教育というテーマには相応しくありません。
そのため、制度そのものよりも、なぜそのような制度になっているか、といった考え方について深く話す必要があると考えました。
というわけで、今回は
- なぜはてなの新人研修は簡素なのか
- なぜ簡素な研修プログラムでも上手くいくのか
- 新人は研修をどう感じたか
というテーマについて、師と弟でそれぞれ話すことになりました。
発表スライド
id:shiba_yu36 さんの発表は、主に一般参加者を対象に、はてなの新人研修のシステム的な面を説明しています。
はてな教科書に沿った教育の流れや、研修プログラム終了後のサポート体制を示し、制度の裏側にある「出来るだけ早く実戦に入る」「難しい問題に挑戦することが重要」という考え方について話しました。
僕の発表では学生参加者を対象とし、はてなに入社した社員がどのような環境で学ぶ事ができるかを伝えました。
研修プログラムの説明の後で言うのも何ですが、僕はインターン+バイトを経て入社し、新人研修を受けずに即チーム配属されているため、研修プログラム自体への感想を言うことは出来ません。
そのため、「出来るだけ早く実戦に入る」事によってどのような結果が得られたか、及び研修終了後の社員が普段どのようにして学習を続けているかについて話しました。
また、自分の就活の経験を振り返ると、Web企業のイベントに参加する学生にはバイトでバリバリ働いている人から未経験の人まで様々な人がいるようでした。
その中で多くの人に伝わるよう、特に未経験者にも意味のある発表にするため、「自分の技術がどう成長したか」ではなく、「どう成長できる環境なのか」を話すようにしました。
なお、今回の発表は !!!!!!!!!!!!! 勢い !!!!!!!!!!!!! 五割増しになってます。
発表順が後ろの方だったため、刺激を強く、短くまとめるよう意識していたのです。
(僕が学生だったら30分 * 7社の発表を眠らずに聞く自信は無いので……)
話し方も「大きい声で早く終わる」という風に心がけました。
実際ちょっと噛んでしまったし、うるさかったという方はごめんなさい 🙇
はてなの新人教育について
せっかくなので、研修について少し説明します。
エンジニア新人研修の流れ
はてなの新人研修は、教科書を用いた学習の後、実際にサービスを作って発表する、という流れになっています。
入社初日、午前中はオリエンテーションで会社の歴史や文化について軽く共有しますが、午後には環境構築を行い、早速研修プログラムに突入します。
スーツ着て名刺交換して、みたいなのは全く無かったような……
前半ははてな教科書を用いた学習です。
配属先のチームによって、業務に必要な言語やシステムについて教科書をみながら勉強していきます。
後半は自由課題として、好きなWebサービス/アプリを何か一つ作成します。
エンジニアの場合、メンターとデザイナーに助けられながら、一週間で動くサービスを開発し、研修最終日にはエンジニア全員の前で成果物について発表を行います。
発表では技術的なマサカリが飛んできたり脆弱性を突かれてサービスが破滅したりしますがこれもご一興。
これらの研修はわずか2週間で行われ、新人はその後即チーム配属されることになります。
そんなに短い研修で大丈夫?
前述のとおり、僕は新人研修を受けずに配属されたため、研修についてフェアに語ることはできません。
しかし、実際に同期入社した新卒の2人をみると、研修を経てしっかり活躍できているようです。
Iさんは業務だけではなく趣味でも便利なソフトウェアをモリモリ公開していますし、Tさんは入社以来新サービスの立ち上げに連続で参加しています。
これは偏にチーム配属後のサポートがしっかりしているおかげだと思います。
はてな教科書
はてなの研修は、はてな教科書を用いて行われます。
インターンにも利用されるこの教科書にはWeb開発に必要な最低限の知識が網羅されており、新入社員は研修だけでなく、普段の開発でつまづいた時にもしばしば参照することになります。
教科書はGitHubで公開されており、他社の研修にも利用される事もあるみたいです。
教科書は毎年、エンジニアグループ内で議論を重ねて改良されています
これにより、社内での基礎的な知識の確認にも役立っています。
インターンシップ
はてなは毎年夏のインターンシップにかなりのリソースを割いています。
インターンシップは前後半に分かれており、およそ2週間の講義の後、さらに2週間実際のサービス開発に参加する事で、座学と実経験の両方をカバーする、というプログラムになっています。
教科書を用いた講義から実務に入るという流れは、新人研修でもインターンでも同様ですね。
短期間でしっかり教育するというインターンの経験が、新人教育にも役立っているのかもしれません。
イベントの感想
箇条書きで失礼します。
クックパッドおしゃれオフィス羨ましい
師担当の方々、マネジメント系の本など読んでいてみんな勉強熱心で偉いなあ
新卒採用の規模感について
- 採用人数、僕は
ペパボ >>> Gaiax, mixi, カヤック > クックパッド, はてな
という感じだと想像していたけど、 実際にはペパボでも10人ということで、どこも大差なかった
- 採用人数、僕は
他社の研修について
全体的に、教える側として他社の知見が得られてすごく参考になるイベントでした。
主催のペパボ様、会場のクックパッド様、及び来場者の皆様、ありがとうございました!