読んだ本2021〜2024

去年読んだ本をブログにまとめようと管理画面を開いたら、そこには2021年と2022年に作成した記事の下書きが……

というわけで4年分まとめて書きます。もう記憶がおぼろげだけど覚えてる範囲で。

2024

  • 一般書籍
    • 天才たちの日課
    • 押井守の映画50年50本
    • 圏論の道案内
    • いいデザイナーは見た目のよさから考えない
    • 国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方
    • 女のいない男たち
    • たまたま座ったところに "すべて" があり、それが直腸に入ってしまった。
    • 口に関するアンケート
    • 戦略的交渉入門
  • 技術書
    • Tidy First?
    • The Rules of Programming
    • Building Micro-Frontends
    • Fluent React
    • プログラミングRust 第2版
    • 並行プログラミング入門 ―Rust、C、アセンブリによる実装からのアプローチ
    • ソフトウェアアーキテクチャの基礎 ―エンジニアリングに基づく体系的アプローチ
    • Black Hat Rust
    • ふつうのデザイナーのためのタイポグラフィが上手くなる本
    • 世界一流エンジニアの思考法
  • 漫画

天才たちの日課

酒や薬物に頼りまくっていた偉人のエピソードを読んで「現代の天才たちは随分お行儀がええどすなあ!」とおおらかな気持ちになり、シラフで偉業をなした人々のエピソードで「俺も真面目にがんばろう……」という気持ちになれる、そんなハートウォーミングな本です。

押井守の映画50年50本

爺さんがずっと自分語りをしている本。けど面白い

Black Hat Rust

github.com

Hacker Newsでたまたま見かけて買ったやつ。 セキュリティ系の技術って全く興味なかった(というより、生半可な努力では面白い所まで到達出来なそうだなと思って避けていた)のだけど、この本は門外漢がBlack Hat系の技術をチラ見するのに丁度良い分量だった。

Rustの書籍としては、既に仕事でRustを書いている人ならあまり発見はないかも。 でもセキュリティの話題は自衛のための知識としても為になるし、単純に知識としても面白い。 bit squatting(宇宙線によってHTTPリクエスト内のビットが反転することを期待して、攻撃対象のドメインを取得しておく手法)とか。

ソーシャルエンジニアリングのために交渉術を学ぼう!」とか「遠隔操作ツールが出来たね!次はマネタイズしよう!」みたいな文章が出てきて気が遠くなる。

Speed Reading: Learn to Read 200+ Page Book in 1 Hour

せっかくカナダに住んでいるのでamazon.caで人気の本を買ってみたいというのと、洋書を読む練習として軽い本が読みたい、という理由で読んでみたら結構良かった。 当然だが、この本を読んだからと言って1時間で200ページ読めるようになる事はない。

英語圏の人が文章を読むプロセスに、僕の知らない基礎的な技術があったりするのだろうか?というのを考えながら読んだのだけど、読んでみると割と当然の事が書かれていた。

前半のパートでは「文字を一つずつ読むな、目の焦点を行間にあわせろ」とか、日本語で本を斜め読みするときってこんな感じだよね、といったTipsが紹介されている。 面白いのは「脳内で音読するな」という話。脳内で音読していると文章を線形に読んでしまうので、一度の視点移動で複数の単語を読むのが難しくなってしまう、という理由だった。 確かに日本語で適当な文章を読んでみると、僕の場合は読み始めは脳内で音読していて、スピードが乗ってくると音が消えていく感じだったので、確かにネ、と感心した。

あとは「身も蓋もないけど語彙を増やそう!英語の勉強をしよう!」という章があって、まあ……はい……という感じ。 他にも「同じ文章を読み返すな!集中して一回で理解しろ!」とかね、出来たら苦労しねえ〜〜

後半では「目を鍛えよう!」とかいって練習用の謎の図が出てきてワロタ。

周辺視野を鍛えるための表

ダンジョン飯

1巻が話題になったときにチョロっと読んでやめてしまったんだけど、完結にあたって絶賛する声が多かったので読み直したところハマってしまった。 こんなに骨太なファンタジーになるとは……。 読み終わって半年経った今でも、生活の中でふと「これってダンジョン飯じゃん」と思ったりする。

主人公のライオス一行が別のパーティに対して「毎日3食食べてきた俺達のほうがずっと本気だった」という場面が印象に残っている。 でもそれって強者の論理だよな、と思いつつ、強者だからこそライオスは●●を食べることができたのだ、と納得させられる。主人公を含め、登場人物を感情移入の装置ではなく、突き放して見ることで逆に説得力を持たせる、作者のバランス感がすごい。 SNS上での反応を見ていても「ライオス怖い」といった感想がちらほら見られるし、ライオスへの共感できなさは意図して仕組まれたものだと思っている。

当時流行りだったグルメ系漫画の一つと認識して追うのをやめてしまっていたのを後悔したけど、でも単行本でまとめ読みしたほうがのめり込める気もするので、これで良かったのかも。

宝石の国

ダンジョン飯が「登場人物への感情移入を難しくすることで説得力を持たせている」作品だとすると、宝石の国はそもそも現生人類が滅んだあとの物語であって、全てのキャラクターの行動原理が我々とは異なるものとして描かれている。タイトル通り宝石たちが織りなすゴタゴタを眺めているような感覚だった。

フォスが七宝を得て人間になるくだり、中学生の頃エヴァ旧劇をみて考察ブログを読み漁っていた記憶が蘇ってワクワクしてしまった。

2023年

  • 一般書籍
    • スーツの文化史
    • 「イノベーター」で読むアパレル全史
    • ホンダ流「ワイガヤ」のすすめ
    • 語学の天才まで一億光年
    • LIFE SHIFT
  • 技術書

「イノベーター」で読むアパレル全史

皆が知っているあのブランドはどこがどう革新的だったのか、というのをファッションの知識がなくてもスラスラ読める。 ファッション全くわからないけど、グッチのショーウィンドウがある時期を境に突然派手になったと思ったら2015年にディレクターが変わったんですね、みたいな事がわかる。 写真がないのでググりながら読むことになるのは残念だけど仕方がないのかも。

2022

  • 一般書籍
    • 異文化理解力
    • アヘン王国潜入記
    • エクストリームエコノミー
    • 異常論文
    • 妄想する頭 思考する手
    • PPPPPP
    • アル中病棟
    • 勝てるデザイン
    • クリエイター権利の本
    • エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢
    • 海外移住最前線
    • 採用基準
    • モード後の世界
    • 個人事業と株式会社どっちがトク?がすべて分かる本
  • 技術書
    • A PHILOSOPHY OF SOFTWARE DESIGN
    • EVERY LAYOUT
    • イラストでわかるDockerとKubernetes
    • 良いコード悪いコードで学ぶ設計入門
    • 実践ゲームUIデザイン

レタースペーシング

この本あんまり紹介されることがない気がするけどオススメです。 タイポグラフィにおける、文字と文字の間のスペースについて書かれた本だけど、実際タイポグラフィ入門みたいな内容になっている。 僕のようなデザイン門外漢が文字組みについて入門するのに丁度いい分量だし、図が多くてメチャ読みやすい。

2021

かたち

ここ数年で読んだ本で一番面白かった!!!けど中身忘れてしまったので今読み直しています…… 反応拡散方程式を発見したアラン・チューリングがすごすぎる、と思ったことだけ覚えている。

生物や自然のなかに現れる形やパターンがどのように形成されるのか、という本。 ジェネラティブアート好きな人は読んだほうがいい。

批評理論入門 「フランケンシュタイン」解剖講義

多分このブログ記事を読んで買ったんだと思う: 一家に一冊、『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』廣野由美子 (中公新書) - ゴールデンレトリバー撫でたい

本書は2部構成となっている。前半では「フランケンシュタイン」という作品そのものを読解し、後半では文学の世界でどのように受容・批評されてきたかを通じて、文学批評ってどういうものなんですか、というのを示す。

上で紹介した「まったく新しいアカデミックライティングの教科書」もそうだけど、人文系の学部生が勉強するような内容の本を読むと、人文系の人は大学でこんな難しいこと考えてたのか……と愕然としてしまう 俺がXPathわかんね〜〜とか言っている間に……

スキゾエヴァンゲリオン / パラノエヴァンゲリオン

エヴァ旧劇で育ったオタクは全員買ったほうがいい

AB+ 記号

以上

どれか読んだ人は感想おしえてね

子供向けアニメ『ブルーイ(Bluey)』を大人も観るべき理由

最高に面白いけど日本ではあまり知られていない子供向けアニメ『ブルーイ』について、大人だけどほぼ毎日観ている僕が魅力を解説します。

皆とブルーイの話がしたい!

『ブルーイ』ってどんなアニメ?

公式Webサイト (https://bluey.tv/) より抜粋

『ブルーイ(Bluey)』は、オーストラリアに住む犬の女の子ブルーイの日常を描く、未就学児向けのショートアニメ。 妹のビンゴや両親と一緒に過ごしたり、友人たちと遊ぶようすが様子が描かれています。

1話7分程度のため、サクッと観られるのも魅力の一つ。 人気エピソードの一つ「プール」がYouTubeで全編公開されているので、ぜひ試しに観てください。

www.youtube.com

制作はオーストラリアのLudo Studio。当初はオーストラリア国内で放送され、その後Disney+で全世界に配信されました。 そのクオリティの高さから子供だけでなく大人にも人気を博し、熱心なファンを集めています。 オーストラリアではブルーイ達が住む家を模したテーマパークが建設されているほど。

僕が現在住んでいるカナダでも人気があるようで、WalmartZARAの子供服売り場にはブルーイのアイテムがたくさん並んでいます。 日本ではあまり話題を聞かないけど、世界での人気を受けて、いくつかのメディアでも紹介されています。

我が家では、アナ雪のためにDisney+に加入したときに妻が偶々ブルーイを発見してハマってしまいました。 子供はゲラゲラ笑いながら観て、大人は「子育てあるある」要素を見てニヤッとしたり、キャラクターの成長に感動しながら、全エピソード何度も繰り返し観ています。

「遊び」に主眼を置いたストーリー

『ブルーイ』には、中心となる大きなストーリーが存在しません。 主人公のブルーイとその家族の日常や、子ども同士の遊びを描いたエピソードがほとんど。 劇的な出来事は起きないけど、その中で子供が見つける楽しさや、親が子供と過ごす時間が主なテーマとして描かれています。

ビーチを歩くだけの回、中華料理屋からテイクアウトするだけの回、IKEAの家具を組み立てるだけの回、等々…… こう書くとメチャクチャ地味に見えるけど、それでもテンポの良さ、子育てについての解像度の高さのおかげで、しっかり見応えのあるアニメになっているのが凄い。

IKEAの梱包材で遊ぶ子供たち(シーズン2「こんぽうざい」より)

中心となるストーリーがないので、ブルーイ達はただ毎日を楽しく過ごすために遊び、その中で多くのことを学んでいきます。 現実の子供がそうであるように。

悪役がいない

『ブルーイ』には悪役がいません。 子供のケンカで一時的に友達と対立したり、すこし意地悪なキャラクターが出てくることはあるけど、ブルーイ達は敵をやっつけたり説教するのではなく、あくまで全員で楽しく遊ぶ方法を見つけようとします。

道徳規範が先にあるのではなく、あくまで「いっしょに楽しく遊ぶ」ために頑張るという流れがとても自然に描かれているのも魅力の一つ。

大人が子供に学ばされる

子供が成長するだけでなく、親が子供に学ばされるエピソードが多いのも『ブルーイ』の特徴。

ブルーイ達が遊びの中で得る学びは、大人の心にも響くものが多い。 ブルーイが「どうにもならないこともある」と言い、僕が「ウンウン……そうだよね……」と言いながら泣いている、みたいな事がしばしばあります。 毎回違う遊びをしているので、単純に子供との遊び方の参考にもなっています。

また、子供の相手をしていると、思いもよらぬ事で子供を傷つけてしまったり、キツく叱りすぎてしまって、あとで大人が反省するという事もよくあると思います。 『ブルーイ』では、そういった子育ての難しい部分についても、話が重くなりすぎない絶妙なバランスで描かれています。

叱られて落ち込む子供(シーズン1「ようせいのイタズラ」より)

他にも、子供たちが遊ぶうえでの課題として、大人でも対処が難しいテーマがサラッと描かれています。 どうしても言われた通りに行動できない子供や、言語の通じない友人、よその家庭の教育方針など……。

このようなテーマに対しても、問題として対処するのではなく、ブルーイ達はあくまで状況を受け入れて「いっしょに楽しく遊ぶ」方法を模索する所が、個人的にとても気に入っています。

絵の美しさ

『ブルーイ』の絵は極端にデフォルメされている(擬人化された犬なので当然だが)。 体は長方形の組み合わせで描かれているし、輪郭線の太さはほぼ均一である。

それなのに、そのデフォルメや配色の巧さによって、オーストラリアの街並みや自然の美しさを表現できているのが凄い。

シーズン2「アイスクリーム」より
シーズン1「かげわたり」より
シーズン1「キャンプ」より
シーズン1「キャンプ」より

アートディレクターのWebサイトでコンセプトアートが公開されているので、気になった人は見てみると良いでしょう。

www.costadanielart.com

音楽が良い

『ブルーイ』では、なんとほぼ全てのエピソードに専用の曲が作られています。 1話7分のショートアニメだからできる事ともいえるけど、これがまた良い。

作曲家のJoff Bushは、各エピソードごとに脚本家とのミーティングを行い、テーマについて議論しつつ即興でピアノを弾くことで曲を作っていったとのこと。

『ブルーイ』のサウンドトラックは、オーストラリア国内チャートで週間1位を記録した初の子供向けアニメサントラとなったそうです。 サントラのジャケも、良い……

参考:

Q. なぜ日本で流行っていないの?

A. Disney+に加入しないと観られないから!!!!!!!!!!

最近になってYouTubeに日本語公式チャンネルが作られたので、いくつかのエピソードは公開されているけど、やはりDisney+に加入しないとちゃんと楽しめないという状況。

www.youtube.com

そのせいで、皆に観てもらいたいのに友人にも布教しづらい状況になっています。 Eテレあたりが権利を買って放送してくれないかな〜と常々思っています。

Eテレさん、どうにかなりませんかね……??絶対人気出ると思うのですが……

今週末、最新話が公開予定

今週末の4/14、シーズン3の最終話となる "The Sign" が全世界で公開されます。 日本語板も同日中に配信される予定。

今回は28分の長編ということで、シーズン3の節目ということもあり、『ブルーイ』のファンコミュニティはかつてない盛り上がりをみせています。

1話7分なので、単純計算で約17.5時間 (7分 * 約150話) で全話追いつけることになります。 ここまで読んでくれた方は既にDisney+への加入方法を調べている頃だと思いますが、この土日にぜひ『ブルーイ』を観てみてください!!